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2020.3.11 2022.9.17

日本国内のMBAと国際認証のAACSB、AMBA、EQUISの取得状況について

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日本国内のMBAと国際認証のAACSB、AMBA、EQUISの取得状況について

日本でもMBAを取得できるビジネススクールが増えている中、どこの学校が良いのか気になる方も多いのではないでしょうか。

一つの判断基準としてMBAを評価するランキングと合わせて外部機関からの認証があります。

今回は日本国内のMBAと国際認証のAACSB、AMBA、EQUISの取得状況についてご紹介致します。

 

外部機関からの認証とは

 

外部機関からの認証はMBAプログラムの品質や教員の体制などを元に評価基準を設けており、一定以上の水準と認められたということになります。

主な認定機関は3つあり、

  1. アメリカのフロリダに本部があるAACSB(The Association to Advance Collegiate Schools of Business)
  2. イギリスのロンドンに本部があるAMBA(the Association of MBAs)
  3. ベルギーのブリュッセルに本部があるEQUIS(European Quality Improvement System)

MBAの国際認証に関する主な評価項目

国際認証がビジネススクールを評価する項目は100項目を越えると言われており、項目について定量的にも測定して改善プロセスを必要とするなど、他のビジネススクールと比較されることになります。
認証団体によって重視する項目が異なりますが、以下の7つの評価項目を中心に評価しているようです。

  1. カリキュラムに関する基準
  2. 学生に関する基準
  3. 教員に関する基準
  4. 研究に関する基準
  5. 国際化に関する基準
  6. ミッション、ビジョンに関する基準
  7. 財務状況に関する基準

国際認証機関ごとの特徴

  • AACSB(アメリカ)は学習の達成度を重視する特徴があると言われています。
  • AMBA(イギリス)は利益追求の教育プログラムだけではなく、歴史的な視点や倫理的な視点も重視する特徴があると言われています。
  • EFMD(ベルギー)は国際的な学術研究の実績というアカデミックさを重視する特徴があると言われています。

上記の3機関全ての認証を受けているビジネススクールは「トリプルクラウン(Triple Crown accreditation)」とも呼ばれており、世界でも1%未満の学校しかなく日本では今のところ名古屋商科大学大学院(NUCB)しかありません。

外部機関からの認証を受けるメリット

外部機関からの認証を受けるメリット

上記のような評価項目をクリアして外部機関からの認証を受けるメリットはどのようなことが考えられるのか見ていきましょう。

ブランディング、知名度の向上

外部機関から認証を受けることによって学校の知名度が上がることに繋がっていくことが考えられます。

特に海外からの留学生を受け入れる際にはグローバル基準の認証を受けていることで一定のブランディング効果を出すことも出来るでしょう。

グローバルでのビジネススクールとの連携

国際認証を受けることで世界中のビジネススクールとの連携が行いやすくなることが考えられます。

同じ認証を受けている学校同士であればある程度の品質基準に達しているとお互いにわかることにもなりますし、どれか一つの国際認証を受けていればグローバルでの判断基準の一つとして交換留学の連携なども行いやすいでしょう。

生徒、教員の質の向上

国際認証は定期的に更新が必要なため再度評価を受けることとなります。

そのためには教員の質を維持して向上させていくことはもちろん、生徒の質も求められることから良い刺激にも繋がるでしょう。

続いてそれぞれの国際認証について特徴を見ていきましょう。

AACSBとは

AACSBとは

参考:AACSB

AACSB(The Association to Advance Collegiate Schools of Business) は、1916年にアメリカのビジネススクールが中心となって発足したマネジメント教育分野での最初の国際認証機関で、ヨーロッパで発足したEQUISと並んで権威ある国際認証として世界中に認知されています。

世界30か国以上・全世界のビジネススクール約16,563校のおよそ5%にあたる約949校がAACSBの認証を取得しています。

AACSBの認証を取得したビジネススクールには、高い質のマネジメント教育を提供し続けること、またそれを向上させていくことが求められます。

認証を保持するためには5年毎の審査(Continuous Improvement Review)が必要となり、15の厳しい認証基準をクリアして前回よりも向上しているという成果を示すことが求められます。

2020年現在、日本国内で認証されているのは慶應義塾大学大学院経営管理研究科 (KBS) と名古屋商科大学 (NUCB) 、立命館アジア太平洋大学経営管理研究科(APU)、国際大学国際経営学研究科(IUJ)、早稲田大学大学院経営管理研究科(WBS)の5校になります。

少し古い資料にはなるのですが、立命館アジア太平洋大学経営管理研究科(APU)がAACSBの認証を取るために8年間かかったことや過程などをまとめたレポートがあったので参考として掲載いたします。

参考:JASSO 留学交流2016年12月号 立命館アジア太平洋大学(APU)におけるビジネス教育と国際認証取得

No 認証取得校 認証取得時期 再認証
1 慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS) 2000年 2005年
2 名古屋商科大学大学院(NUCB) 2006年 2011年
3 立命館アジア太平洋大学経営管理研究科(APU) 2016年
4 国際大学国際経営学研究科(IUJ) 2018年
5 早稲田大学大学院経営管理研究科(WBS) 2020年

ちなみに他のアジア各国のAACSBの取得状況を見てみると、1位は北京大学、清華大学などをはじめとした中国が19校、2位はソウル大学などをはじめとした韓国が14校、3位はオーストラリアと台湾で11校と日本よりも認証数が多くなっています。

EQUISとは

EQUISとは

参考:EMFD EQUIS

EQUIS(The European Quality Improvement System)とは、ベルギーのブリュッセルに本部を置くマネジメント教育に関する国際的な教育品質評価機関であるEFMD(The European Foundation for Management Development)による国際認証になります。

EFMDは1972年に設立されて日本では欧州経営開発財団とも呼ばれており、世界80ヵ国から800を超えるビジネスススクールが加盟する国際認証機関です。

名古屋商科大学大学院(NUCB)は日本で初めてEFMDの正式メンバーとして加入しております。

EQUISはマネジメント教育機関の品質を評価するシステムで、EFMDが任命した専門員からなる審査団が90を超える項目に関する審査を現地査察を含めて行い、厳正な審査基準を満たした教育研究機関のみが取得することができる資格です。

2020年現在ではヨーロッパを中心に全世界で約180のビジネススクールが取得している認証資格となっており、日本では慶應義塾大学大学院経営管理研究科 (KBS)が2011年、早稲田大学大学院経営管理研究科(WBS)が2019年と2校が認証を受けています。

EFMDはEQUISのほかにEPAS(EFMD Programme Accreditation System)も発行しており、日本では明治大学ビジネススクールが2018年にEPASを初めて認証を受けています。

No 認証取得校 認証取得時期 再認証
1 慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS) 2011年 2017年
2 早稲田大学大学院経営管理研究科(WBS) 2019年

AMBAとは

AMBAとは

参考:AMBA

AMBAとはThe Association of MBAsの略称で、1967年にイギリスのロンドンで設立されたMBA教育に関する国際認証機関です。

日本ではMBA協会とも呼ばれており、大学院レベルの経営教育に関する品質保証を与える役割を担っています。

世界70か国以上・全世界のビジネススクール約16,000校のおよそ1.5%にあたる約250校がAMBAの認証を取得しており、日本では名古屋商科大学大学院(NUCB)のみ2009年に認証されています。

No 認証取得校 認証取得時期
1 名古屋商科大学大学院(NUCB) 2009年

日本で国際認証を受けているMBAコース

上記でご紹介したように日本でAACSB、EQUIS、AMBAの国際認証を受けている大学は慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)、名古屋商科大学大学院(NUCB)、立命館アジア太平洋大学経営管理研究科(APU)、国際大学国際経営学研究科(IUJ)、早稲田大学大学院経営管理研究科(WBS)の5校となっております。

No 認証取得校 認証名
1 名古屋商科大学大学院(NUCB) AACSB、AMBA、EQUIS
2 慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS) AACSB、EQUIS
3 早稲田大学大学院経営管理研究科(WBS) AACSB、EQUIS
4 立命館アジア太平洋大学経営管理研究科(APU) AACSB
5 国際大学国際経営学研究科(IUJ) AACSB

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日本のビジネススクールの国際認証取得はアジアでも遅れ気味である

国際認証を取得したからといって必ずしも良い学校とは言えませんが、ビジネススクールの一つの判断基準である国際認証の取得状況について残念ながら日本ではご紹介した通りにアジアでも遅れ気味であると言えるでしょう。

日本でもビジネススクールが増えている中でグローバルでの視点を持つ、交流を行うことを目的とするのであれば国際認証を取得している学校を選択肢として考えても良いかもしれません。

国際認証の有無に関わらず教員の方は教育の質を高めていくことを求められるのに対して、MBA取得者は卒業してからの活躍が重要であることは間違いありません。

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